【支払いを減らそう!フリーランスがやるべき猶予・減免策3つ】
フリーランスの固定費は死活問題です。
各種給付金などは、当然として節約できる部分を
考えましょう。また、相手側にたって考える、知ることで解決策が見えることがあります。※家賃減額交渉など
各種税金や社会保険料の免除も実施されています。
コロナ禍による経済悪化の影響を一番被っているのはフリーランスかもしれません。既にいくつかの融資や給付金などの申請をしているかと思いますが、支給されるまでの間にもお金はどんどん減っていきます。
ここで大事なのは「支出を減らすこと」です。
今回は、フリーランスの方に向けて支出を減らす制度をご紹介します。
■コロナ対策でもらえるお金は支給が遅くなりそう
緊急事態宣言が発令されて早1か月が経過。
1か月間に持続化給付金や10万円の特別定額給付金、都道府県による感染拡大防止協力金といった制度が整備され、4月下旬から次々と申請が開始しました。このほか、コロナ対策としての融資も拡充しています。
ただ、問題は「いつ支給されるか」です。
特別定額給付金と持続化給付金は申請が殺到し、
一時期サーバがパンクする事態に陥りました。
また、融資も例年以上に申込が多くなっています。政府は「なるべく早い支給を」と言っていますが、実際の受給は遅くなるかもしれません。
早急に対処するなら「支払うお金を減らすこと」。支払いを猶予したり減額したりする手続きが肝心なのです。
■対策1:家賃の減額・猶予の交渉
最初に行いたいのが家賃の減額・猶予交渉。
収入が激減した今、毎月支払う家賃は痛い出費となります。家賃の減額や支払いの猶予は交渉したほうがよいでしょう。
「単に交渉してもオーナーは快諾してくれないだろうな…」と言い出しにくい方もいるでしょう。
実は減額交渉に応じたオーナーにも次のようなコロナ対策があるのです。特に事業用物件を借りている方は交渉材料として使えるのではないでしょうか。
◆家賃を減額しても寄付金課税されない
不動産のオーナー会社が家賃を理由もなく減額しても、減額した部分は「寄付金」として扱われ、法人税の課税対象とされてしまいます。
つまり、減額しても認められず、通常の家賃が法人税の課税対象となるのです。
しかし、コロナウイルス対策の一つとして減額し、以下の要件を満たしていると、課税対象とはなりません。
・事業継続が難しくなった、あるいは難しくなりそうな状況にある
・賃料減額が事業継続支援のためであり、かつ書面で確認できる
・借主がコロナ禍の影響を被ったときから通常営業に戻るまでの間、賃料を減額したこの取り扱いは、事業用の物件だけでなく、居住用の物件や駐車場においても同じです。
◆固定資産税の減免措置
国土交通省は4月17日、新型コロナウイルスによる飲食店の苦境に対応するため、テナントオーナーに対し、固定資産税を減額あるいは免除する方針を打ち出しました。
対象となるオーナーは
資本金・出資金が1億円以下の法人や
従業員が1000人以下の個人や
資本金・出資金のない法人です。
2020年2月から10月までのどこか3か月間の間の事業(家賃)収入が前年度の同時期に比べて減少していれば認められます。ただ、減少の割合によって固定資産が減額か免除かが次のように変わります。
・前年度の同時期に比べて減少割合が30%~50%未満:50%固定資産税が減額
・前年度の同時期に比べて減少割合が50%以上:固定資産税が全額免除
なお、この減免措置は2021年分の固定資産税が対象です。2020年分については後述する納税の猶予を使うことができます。また、この減免は認定経営革新等支援機関(金融機関や士業で国の認定を受けたところ)に申請内容を確認してもらう必要があります。
この他、後述する社会保険や税金の納付の猶予も交渉材料の一つになります。
■対策2:社会保険料・税金の支払い猶予
フリーランスにとって痛いのは公的負担の支払いです。いつもはペナルティ怖さに払うお金でも、緊急時の今はなるべく支出を控えたいものです。
税金や国民健康保険、国民年金については納付の猶予が認められています。
◆税金の納付の猶予
今年の2月以降1か月以上にわたり、前年同時期で比べて20%以上収入が減少しているフリーランスは、所得税や消費税、住民税や固定資産税といった税金の納付を1年間猶予することができます。通常、納税の猶予は担保提供が求められたり、延滞税がかかったりしますが、
コロナの影響については担保提供も延滞税もありません。
ただ、単に収入が減少しているだけでなく、次の要件を満たしていることが求められます。
・一括で税金を納めると事業や生活が苦しくなる
・納税しようという意思があると認められる
・他に特段滞納している税金がない
・税金の納期限から6か月以内に納税の猶予の申請書が提出されている
この他、「コロナ禍で事業を休止・廃業した」「利益が大幅に減少した」ときも猶予ができます。
生活困窮で複数の税金が払えないという人は上記3番目の条件で引っかかるかもしれません。
所得税や消費税といった国税は税務署、住民税や固定資産税と言った地方税は各市区町村の税務課にて手続きを行うことになります。気になったら担当の窓口に相談しましょう。
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan/pdf/0020004-143_01.pdf
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan/pdf/0020004-143_02.pdf
◆国民健康保険税・国民年金の納付が猶予・減免できるものと手続き
国民健康保険税や国民年金保険料も納付を猶予することができます。
国民健康保険税は地方税の一つであるため、先述の税金の納付の猶予とほぼ同じ条件です。国民年金保険料については納付の猶予又は減免ができます。対象となるのは、今年の2月以降にコロナ禍で収入が激減し、納付の猶予や減免の条件を満たすだけの所得基準になった人です。
気になる方は、国民健康保険税は各市区町村に、国民年金保険料は管轄の年金事務所に相談しましょう。なお、労働保険や社会保険も支払いを猶予することができます。
■対策3:水道光熱費・通信費の支払い猶予
水道代や電気代、ガス代や通信費、生命保険料や損害保険料も各省庁からの通達により、支払う本人が申し出ることで支払いを先送りできるようになりました。
スマホ代などの通信費は、申し出ることで5月末まで支払いを先延ばしすることができます。ガス料金や電気料金に至っては、5月分までの期日を1か月繰り延べることが可能です。
水道代は自治体により異なりますが、東京都や横浜市は最長で4か月支払いを猶予することができます。生命保険や損害保険も各社対応が異なりますが、一般的には5~6か月、手続や保険料支払いを先延ばしできるようです。
これらの支払いに関する制度はいずれも手続きが必要です。ちょっと面倒に感じられるかもしれませんが、後がぐっとラクになります。手間を惜しまずやってみましょう。